2017/02/16
浜松市西区でサンルーム(テラス囲い)の工事をしました。
サンルーム(テラス囲い)は取り付け場所によって難易度がかなり変わります。私はサンルーム(テラス囲い)の施工は100件以上はやっていると思いますが(いちいち数えていないので)、3割?4割くらいは何かしらの加工が必要になって来ます。経験がものをいう商材なので商品選び以上に職人さん選びを大切にしてください。では、今回の奮闘をご覧ください。
悪戦苦闘のサンルーム工事 初日
今回の取り付け場所は、古いトタンの壁に取り付けるので苦戦することは確実でした。
トタンの壁はボルトを効かせる場所が限られてしまい穴あけ加工が必要になってきます。
内部の構造がわからないし図面があるわけではないので壁を留めるために打ってある釘の位置を狙うしかありません。
しかも今回は角波トタンなので位置によっては部材がかなり取り付け難い状態になってしまいます。
朝一で取り付け位置を出し壁の状態を確認しました。
やっぱりな・・・。
古い家でこうしたトタンの壁の時って結構、壁の垂直が狂っていたり曲がっていたりして普通には取り付けできない事が多いです。
今回も上と下の寸法が15mm?20mm位違っています。壁も波打っていて場所によって隙間が違っています。
そのまま取り付けたら、引き戸が閉まらないか、床を斜めにして無理やり引き戸を締められる状態にするかになってしまいます。
多少、壁の垂直が違う程度なら引き戸の方で調整が出来ますが今回は絶対無理と判断しました。
壁の部材の隙間にスペーサーを入れて垂直になるように取り付けていきます。
こだわっただけあってかなりいい感じ骨組みは組みあがっていきます。
後の事を考えたらここに時間をかけたほうがいいですね。
壁に付ける部材(躯体柱)を調整したら屋根を構成する部材の所なんか20mm位はスペーサーを入れました。
コーキングが出来るようにバックアップ材を詰めていきます。
これだけの隙間をコーキングで塞ぐのは、かなり難しいです。しかも、角波トタンの凹凸が難易度をさらに上げます。
私たちエクステリア職人もコーキングの技術は仕事上必要なのですが、コーキング専門の職人さんのようには綺麗に仕上がりません。
綺麗に仕上げるための条件がある程度揃っていないとうまくはいかないものです。
たとえて言うならラーメン専門店と中華料理屋のラーメン?
ラーメンも作れるけどラーメン専門店に比べたらちょっと落ちる感じですか・・・。
それとも、歯医者と目医者?
同じ医者だけど分野が違う・・・。
プロだからといって何でもかんでもうまく行くわけではありません。
まぁ、そんな感じです。
今日は何とか骨組みまで終わりました。
明日は、屋根を張るとこからです。
壁の隙間をどう塞ぐか悩みどころです。
こういったところがトタンの壁はやってみないとわからない事が多いので大変です。
いろいろ策を練りますが、適当な材料もすぐ手に入らないし困ったものです。
結局、コーキングで何とかするしかないんだろうなぁ・・・。
うまく行くか心配です。
さぁ、いよいよ問題のコーキング処理です。
まずは、屋根の部材(垂木掛け)の部分の見えないところで練習です。
まぁまぁの出来ですがやっぱり角波トタンの凹凸が邪魔で上手くいきません。
これだけの幅をうまくコーキングするにはやはり相当な経験を積まないといけませんね。
順調に組立ては進んでいきます。
本体の垂直をこだわってかなり修正しておいたのでサッシの枠もうまく納まっていきます。
網戸をはめて確認します。ほとんど調整しなくても綺麗に閉まります。当然ですけどね。
コンクリートで柱を根固めして、いよいよ壁際(躯体柱)のコーキングに入ります。
結局、隙間を塞ぐ良い材料が手に入らなかったのでコーキングで処理します。
隙間をバックアップ材で塞いでいきますがサイズが合わず緩いところや入らないところが出てきます。
このバックアップ材の処理をしっかりとやっておかないと後でコーキングがうまく行きません。
しかし、手持ちのバックアップ材だけではうまく塞げずまだコーキング材の量が多くなってしまいます。
仕上げ用のコーキング材の使用量をちょっとでも減らすように別の色のシリコンで捨て打ちして隙間を減らしておきます。
こうしないと仕上げの時にヘラでおさえると奥にどんどんコーキング材が流れてしまい、何回もコーキング材を打ち足す事になります。
これで下処理は終わりでいよいよ本番です。
コーキングを綺麗に仕上げるためにはマスキングの張り方とコーキング材の量、ヘラの使い方などいろいろな事に技術がいります。
今回のように30mm位の幅でコーキングする事はほとんど経験した事がないので緊張します。
コーキングは何回もヘラでなぞることは出来ません。
時間がたって幕が出来るとなぞればなぞるだけ汚くなっていきます。
夏場は2,3回なぞっただけで幕が出来てしまうのでコーキングは一発勝負のつもりでやらないといけません。
今回は冬場なので、そこまで幕が出来るのは早くありませんがそれでも何回もなぞることは出来ません。
コーキング個所は2.4mを30mmの幅で4カ所。材料が足りるか心配です。
1カ所目、みるみるコーキング材が減っていきます。1本と半分くらいは使ってしまいました。
ヘラで仕上げていきますが、許容範囲ではあっても自分で納得いく仕上がりにはなりません。
2カ所目、3カ所目と試行錯誤で仕上げていきます。
少しずつ良くなっていきます。
最後の所は完全に要領をつかんで納得のいく仕上がりに出来ました。
左側が最初にやったところ右側が最後にやったところです。
最初の方はヘラのなぞった後が残ってしまいましたが最後には見事につるつるに仕上がりました。
プロみたいです。
また一つ技術の向上を感じた瞬間でした。
こうした経験の積み重ねって大切ですね。
なれた頃には作業終了です。
今度いつこの技術を発揮できる事やら・・・。