プロから見たエクステリア業界の事情

施工しやすい商品を選ぶメリット

2015/01/29

お客様の多くは、カタログを見て問題なくその通りのものが出来ると思っていると思います。
実際そうなのですが、人が組み立てる以上出来上がりには少なからずバラつきが出ます。

商品に関しては、工場で生産するのでバラつきは少なくなります。
ではなぜ商品は精度が良くても実際の施工でバラつきが出るのか考えてみたいと思います。

工場で生産するというのは、同じ条件で作るので、バラつきがなくて当然です。
屋内で、加工に適した環境・機械が材料を成形・加工を行うので精度がよく同じものが作れるのです。

一方、最終的な組立は毎回違う条件(設置場所・天気・気温・季節)人が作るのでバラつきが出て当然と言えます。
さらにその時の施工者の気持ち・体調までもが影響する事さえあります。

料理に例えるとわかりやすいと思います。
私も経験があるのですが、説明書の指示通りに調理してもうまくいきません。
当然と言えば当然ですが、料理の経験がないため、説明書で表現できない、火加減・さじ加減・タイミングが分からないのです。
同じ材料を使っても作る人によって味が変わります。

これと同様に、エクステリア製品の組立も施工図には書いていない、組み付けのタイミング・精度の出し方・商品の癖などがあります。
これは、作業の工程が多いほど影響が増してきます。
工程の少ないカップラーメンなら誰が作っても大差ないのと同じです。
組立指示書通りに作業をすれば、形にはなりますが精度よく(料理ならうまいと思える)は作れません。

では、なぜ施工しやすい商品を選ぶことお勧めするかというと
この仕事の性質上いつも工期に追われていることと関係があります。

この仕事の多くは、工期が半日~2日程度の内容のものがほとんどです。そのため時間の余裕がありません。
一日作業できる時間は決まっているので、すこしでも現場でつまずくようなことがあれば工期に間に合わなくなってしまいます。
内容によっては5分10分を争う事もあります。”明日、頑張れば”なんて事が出来にくい環境なのです。

なぜ、このような事態になるかというと見積を施工士と別の人がやっているところにあります。
施工経験のない人の見積もりは、基本的に時間的余裕・金額的余裕がありません。

そのため、施工士は心に余裕をもって作業できないことが多く、いつも焦っているところがあります。
私も経験があるのですが、1日全力で作業しても、コンビニでバイトするより安い日当になることもありました。
このような事があるので、施工士は早く作業を終わらせたいという気持ちが強いと思います。

その焦る気持ちが作業にとっては大敵です。

施工のしやすい商品を選ぶという事は、時間的余裕を作る意味でも大切です。

施工しやすい商品というのは、製品ばかりでなく図面も重要です。
メーカーによって図面の読みやすさがあります。図面が作業を混乱させることさえあるくらいです。
経験豊富な施工士でも間違う事があり、作業をやり直しといった事を見るお客様にとっては”大丈夫だろうか?”と精神的に不安になると思います。

施工士は図面にしたがって施工するのですが、図面の寸法が間違っていたり・図が違っていたりという事がたまにあるのです。
メーカーに問い合わせても、現場で対応してくださいと言われるだけなのです。なんなら、施工が悪いのではと言われる始末です。

そういったやり取りが時間の無駄なので、施工士なら最初からそのようなメーカー・商品を避けたいと思うのは当然です。

また、施工しやすい商品は施工中に出来る傷を減らすメリットもあります。
これは仕方のないことなのですが、部品を取り付ける際、寸法一杯のところに部品を取り付けるときほとんど無理やり押し込まなけばつけられないことがあります。
その時に部材同士がこすれて傷をつけてしまいます。

場所によっても製品の組立の構造が困難なものもあります。
このような商品は、ネジが止められない、無理な体勢での作業を余儀なくされ傷を付けてしまいやすいなどのデメリットもあります。

そしてもっとも重要なことは、メーカーによる傾向をつかんでいる人が商品を選ぶことが施工不良を減らすことだと思います。

例えば、A社の製品はそれほど気にしなくてもよかったことが、B社だと何度か経験しクレームをいただいて検証しなければ問題のない製品に仕上げることが出来ない場合があります。このような事から、見積もりをする人がどれほど重要かがわかると思います。

施工しやすい商品を選ぶメリットをまとめると
・作業時間に余裕ができ、焦る気持ちを押させることで作業が雑になることを防ぎます。
・施工時につきやすい傷を減らします。
・工期が遅れることを防ぎます。
・作業者の間違いを減らし、見ているお客様の精神的不安をへらします。

だと思うので、実際に作業する方と相談するのが施工に対するリスクを減らすことだと考えます。