プロから見たエクステリア業界の事情

カーポート購入前の基礎知識

2015/01/26

メーカーや普通の販売店では語りたくない?いや、語れない!施工士ならではのカーポートの基礎知識をご紹介します。
(ただし、もう既に購入してしまった人は読まない方がいいかもね。ショックが大! 世の中知らない方がいいこともあります。)

まず一番問題が多いと思う一般的な片流れカーポートを解説します。

一般カーポート

片流れカーポートで起こる問題点
・カーポートが傾く(施工の問題)
・柱が折れる(製品の問題)
・屋根パネルが外れる(製品の問題)
・柱と梁を残して屋根が骨組みごと飛んでいく(製品の問題)

幸い私が施工した現場ではありませんでしたが、台風で片流れタイプのカーポートの柱が根元から折れたという話を施工士仲間から聞きました。
このような事からやはり材料の厚みや太さが気になります。

サイズ・商品によって柱の太さが変わったり補強が入ったりと、仕様が変わるので一概に言えませんが、すべての商品で比較できないので確かでない部分もありますが値段が安めの商品が全般的にアルミは薄くなり、同じような形の場合比較的三協立山アルミの商品がアルミが厚い印象をうけます。
メーカーの示す耐風圧までは大丈夫だと思いますが、風は一定ではありませんし瞬間的に強い風が吹いた場合の最後の最後に潰れてしまうか耐えることが出来るかはほんの少しの差だと思います。(メーカーの示す耐風圧はあくまで目安!)

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片流れカーポートの柱が折れる問題に対しては、強風時の屋根のあおりを抑えるため是非サポート柱の取付をお勧めいたします。

サポート柱

サポート柱は、取り外しができるため風の強い時にだけ取付、邪魔になるときは外しておくことができます。
しかし、アルミの薄いカーポートはちょっと風が強いとその揺れが気になり結局サポート柱をつけっぱなしという事になる方もいらっしゃいます。

サポート柱を取り付けた場合
材料+工事費で¥20,000円程度

柱が折れてしまって修理する場合
カーポート撤去・処分 約¥20,000円
新規カーポート設置  約¥160,000円?
他に被害が及べば・・・ いくらになるかわかりません。

よほど気持ちの強い人以外は、カーポートの揺れを目の当たりにすると精神的に耐えられないと思うのでサポート柱は付けてください。

You Tubeに台風の時の片流れカーポートのサポート柱無の様子がありましたので、興味のある方は見てみるといいと思います。

材料費を比較してみます。
一般的に比較的、販売が多い 間口2700mm 奥行5000mm 高さ2300mm のサイズのカーポートを比較してみます。
三協立山アルミ カムフィNexR 256800円
LIXIL メジャーポート? Rタイプ レギュラー 257300円
YKK レイナポートグラン 240000円
どのメーカーも定価です。最大で17300円の開きがあります。
カーポートは定価の50%がよくみられる販売価格なのでこれを基準に比較してみます。
それぞれ定価の50%の金額は
三協立山アルミ 128400円
LIXIL 128650円
YKK 120000円
販売掛け率が同じなら定価が安い方が安いです。
しかし、定価で最大17300円あった価格差が販売価格では8650円、その差も50%になります。
定価ほどの開きがなくなります。
仮に同じ販売掛け率の場合なら販売掛け率が低いほど価格差は小さくなります。
実際には価格差はもう少しありますが、その価格差が長い目で見た場合、高いのか安いのか考える必要はあると思います。
カーポートは価格だけで選ぶにはリスクが高い商品だといえます。
台風は毎年何度かやってきます。そのたびにドキドキすることを思えば少しでも安心できる商品を選んだ方がいいと思います。
運が悪ければ施工してすぐに台風が来て倒壊という事もあります。

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そして一番多い問題で、カーポートが傾く事だと思います。
これは、基礎の大きさが関係していますが現在ほとんどが、簡易基礎での施工だと思いますが、これには業界ならではの問題があります。

それは施工費が安すぎるという点です。
現在の一般的な施工費(ネット販売などで目にする施工費)では、カーポートの組立費にしかなりません。
とてもメーカーの指示通りの基礎はできないのです。
メーカーの指示通りの基礎を作るなら基礎工事別途です。

ざっくり、見積してみると

片流れカーポート基礎解説

メーカー図面通りの基礎で施工した場合、片流れ1台用カーポートは安いものでも¥250,000円位が適正価格(税別)ではないかと思います。

これは、あくまでカーポートを単独で建てた場合なので、外溝工事の中でカーポートを建てた場合はもう少し価格は下がることもあります。
しかし、基本的にはこれに近い価格になっても不思議ではありません。

カーポート工事の極端に安い価格設定(基礎工事別途になっていない工事価格)は、簡易基礎で間違いありません。
大切なのは、事前にその内容を把握し、納得しているかです。

では、どうして簡易基礎での施工が主流なのか考えてみたいと思います。

これはあくまで経験ですが、条件によって問題ないと言ってよいと思います。

基本的にカーポートの下は土間コンクリートを施工するのでこの場合は、まずカーポートが傾くといった問題は起きません。
そして、カーポートが傾くのは設置場所が99.9%土の場合です。
残りの0.1%は、コンクリートごとめくれ上がった現場を見たからです。(最近はデザイン的に土間コンクリートを細かく区切る施工が多いためだと思います。)
それ以外は、傾いたといった話は聞きませんが、条件が悪ければ何か起こっても不思議ではありません。

しかし、土だからと言って100%傾くわけではありません。
土が堅ければ大丈夫な場合もあります。
地域によってある程度 想像がつく場合もあります。
例えば海岸沿いの地域(竜洋・浅羽・大須賀・大東・浜岡・御前崎など)は砂地の場所が多く簡易基礎では心配な地域です。
それとは逆に高台・山側の地域は比較的 土が堅い地域だと言えます。
それでも、設置場所によって変わる事には違いがないので注意は必要です。

カーポートを施工する場合、住宅のように地盤調査をしてから施工するわけではないので、実際の工事が始まってからでないと土の硬さなんて分かりません。
その時になってから土が柔らかいから、メーカーの図面通りの基礎に変更するという事は通常しません。
そんなことをしたら突然追加料金¥80,000円なんて事になってしまいます。

では、事前に基礎工事別途で話をしたら高すぎるという話になると思います。
それくらい、よく目にする価格は安売り競争しすぎてまともな工事(メーカーの指示通り)が出来ない価格設定になっています。

この状況を生んだ原因とし安売りする販売店が価格を崩壊させた事によると思います。
施工の事を全く知らない安売りする販売店が、安売りしたいために施工費を削ります。
もちろん材料代も安くしますが。

周りは仕方なくその金額に近づけます、これを繰り返し現在の価格になったと思います。

材料は薄利多売できます。しかし、施工は薄利多売はできません。
その結果、施工業者は金額に見合った施工で済ませるしかありません。
これは手抜き工事と言うより、価格に見合った工事内容(メーカーの図面とは違う簡易基礎)だと言えます。

それが、カーポートが傾くといった問題の根っこの部分だと思います。

安さが売りの商品は注意が必要な理由はこちら

カーポート 傾いた

と言っても、条件さえよければ簡易基礎による施工でも保証はできませんが、大丈夫な場合もありますので担当者に聞いてみましょう。(担当さんが説明できる人にあたると良いですね。)

次に一般的な2台用のカーポートについて解説します。

カーポート2台用

2台用カーポートで起こる問題
・カーポートが傾く(施工の問題)
・屋根パネルがはずれる(製品の問題)
・柱と梁を残して屋根が骨組みごと飛んでいく(製品の問題)

2台用のカーポートは柱が4本になりますので、片流れのカーポートよりは簡易基礎でも傾くといった問題は大幅に減ると思います。
ただし、2台用のカーポートは1本梁タイプのワイドカーポートと片流れタイプをつなぐ合掌タイプがあります。
合掌タイプは、片流れタイプに近いので基礎の大きさには注意が必要です。

合掌タイプを選ぶ理由として、デザイン・違うサイズを組み合わせる事で設置場所に合わせたサイズを選べるといったことだと思います。
ただ、合掌タイプのカーポートは、真ん中でつなぐ構造のためほとんどありませんが繋いでいる部分がずれる・真ん中からの雨漏りの可能性といった問題もありますので、出来るだけ1本梁タイプをお勧めします。

基礎については、片流れタイプで解説したので省略します。

これらのカーポートは屋根材がポリカーボネートという素材ですがこのタイプのカーポートは強風時のパネルの抜けがあります。
これについては、パネル抜け防止のオプションもありますので、ご利用をお勧めします。

パネルが飛んだ場合の修理
材料費(1枚当たり)¥8,000円程度
工事費(枚数にもよりますが)¥5,000円?

しかし、これについても1つ問題があって桁違いの強風時にパネルが抜けなくて柱と梁を残して屋根の骨組みごと吹き飛んだ現場がありました。(パネル抜け防止を未使用でもあったのでパネル抜け防止の効果はわかりません。)
私も、2011年の静岡県西部に台風が上陸した以前は骨組が壊れる前にパネルが飛ぶと考えていましたが台風の直撃を受けたらこんな事が起こるのかと衝撃を受けました。(片流れタイプ・2台用 両方ありました)
確立としては1/数千とか1/数万位の確率だとは思いますが、被害にあった方にしてみれば1/1の確率です。運が悪ければ、どなたにも起こり得ることだと思います。

風で

一概にパネル抜けのオプションを付けた場合と、どちらが良いとは言い難くこのタイプのカーポートは最近の自然災害に対して限界さえ感じます。

?

そいった意味でもなるべく、つくりのよいメーカーを選択することをお勧めします。
(あくまで経験ですが、1000台以上カーポートを設置しましたが、こんな被害は2011年静岡県西部を襲った台風の時だけです。)

どうしても心配な場合は折板タイプ(屋根が鋼板)のカーポートをお勧めします

このカーポートが壊れてしまうようならアルミメーカーのカーポートはあきらめるしかありません。

折板カーポート

また、パネルタイプのカーポートでも上位モデルは材料も厚みがありつくりも頑丈になってくるので一般的なものとは選ぶ基準がデザインに変わってきます。

カーポートは、とても判断が難しい商品だと言えます。
いろいろなリスクを事前に理解しお客様自身が備えるしかありません。

カーポート徹底比較

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